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ビッグカフナバーガー

ビッグカフナバーガーは、映画『Pulp Fiction』(1995)に登場する架空のハンバーガー店のメニュー。サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールスが食べる——というか静かにキレながら奪いとった一品です。

架空のお店の架空のメニューなので、「好きなハンバーガーは?」と聞かれて「ビッグカフナバーガー」と答えてしまわないように注意しましょう。反対にそうした人間に出会った場合、そいつはとても良いやつな代わりに、死ぬほど面倒臭いので適度な距離感を保ちながら愛してあげてください。可愛いやつですよ。

「カフナ」はハワイ先住民にとって「専門家」の意味。工芸や料理に長けた人物や、医者や司祭といった専門職を表すときにも使われていた言葉だそう。つまり「ビッグカフナバーガー」とは「ハワイアンテイストのバーガーの中では抜群に美味い最高峰のバーガー」くらいの感覚の商品名と捉えるとよいでしょう。

サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールスが豪快に口に押し込んで、最後にスプライトで流し込む姿には思わず食欲が刺激されてしまいます。「一口ちょうだい!」が一番美味しい。しかもこのあとボコボコにするであろう相手から。

「これ一口もらっても?」という小さな依頼は、あの場面においては小さな強迫行為。シーンの緊迫感を一気に引き上げるアイテムでもあります。

『Once Upon a Time in… Hollywood』にも登場

タランティーノは本当にこういう意味のない架空の商品を作るのが大好きというのは映画ファンの中ではある意味で共通認識。ほかにも架空のタバコ『レッドアップル』も有名。

ちなみに、作品を横断してキャラクターや架空のアイテムを登場させるのもタランティーノの常套手段。『Once Upon a Time in… Hollywood』(2019)にも、バスの塗装広告やマグカップの柄としてさりげなくビッグカフナが登場しています。

レシピ

なんかあるらしいので紹介します。

参考:La recette du Big Kahuna Burger de Pulp Fiction [Cuisine et cinéma]

下準備:10分
調理時間:10分
分量:4人分

▼材料

  • バーガーバンズ 4個
  • ミンチステーキ 4枚
  • パイナップル 4切れ
  • チェダーチーズ 4枚
  • レタス 4枚
  • トマト 4切れ
  • 赤玉ねぎ 2個
  • バター
  • ケチャップ
  • テリヤキソース
  • コショウ

ステップ1:下ごしらえ

  • オーブンを160度に予熱します
  • 赤玉ねぎの皮をむき、薄切りに
  • パイナップルをスライスします。(缶詰の場合は少し水気を切っておいて)
  • トマトを洗ってスライス。
  • レタスもこの間に洗っておく。

ステップ2:調理

  • フライパンにバターを少量溶かし、玉ねぎをしんなりするまで炒めます。
  • 同じフライパンにパイナップルのスライスを投入。キャラメリゼ(カラメルっぽくなること)したら野菜はいったん取り出します。
  • ハンバーグを焼く。詳細は割愛しますが、塩と胡椒で適当に。
  • バーガーバンズを半分に切り、チェダーチーズのスライスをのせる。
  • チーズが溶けるまで、軽く焼きます。

ステップ3:挟む!!

  • 溶けたチーズが乗ったバンズに肉を乗せ、ケチャップを少量くわえる。
  • その上に玉ねぎの炒め物とキャラメリゼしたパイナップルのスライスを乗せます。
  • テリヤキソースをチーズがないバンズに塗り、ハンバーガーを閉じます。
  • 完成。

補足

作らんでええ

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逆説的だが、妄想に没入するために唯一必要なものがある。リアリティだ。リアリティがなければ妄想は瓦解していく。読者の男子諸君、教室を占拠したテロリストを撃退する妄想をしたことは? あなたに備わっていようはずもない運動神経でテロリストたちを次々と昏倒させ、教室のみんなを救い出す時、あなたの空想の中で想い人はどんな顔をしていた?想い人からの賛辞、有象無象からの拍手喝采、憎いサッカー部のスクールカースト上位っぽいクラスメイトがテロリストに惨殺される様子……上質の妄想をキメて気持ちよくなるためには、より具体的なディティールが必要なのだ。

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