Te wo Arai mashou.

カテゴリー: 連載

数年人生というものを歩んでいると、これはどうにもならない!な問題に出逢うことがある。

いきなり暴動に巻き込まれ、お母さんが殺されてしまった。知らず知らずのうちに悪い人の懐に取り込まれいきなり眼球を潰されてしまった。

そこまでハードモードではなくても、何かしら人生で「自分の力ではどうにもならなかった!」な不幸が押し寄せてくることは…誰にでもある。

そしてそれを時として人は「運命」と呼ぶ。

2020.08.31 / / わた藤

高校3年生の時、家庭の事情で気を病んで1年半に渡って不登校気味だったわたしを絶望させた言葉がある。担任の先生が言った「でもあなたはいつか自分で働いて、自分で生活しなくちゃならない。そのためにはちゃんと大学に行かないといけないのよ」という言葉だ。

薄暗い進路指導室で、先生の鋭くも暖かい視線がおでこに突き刺さっていた。わたしはなんとか「じゃあ、破滅します」と答えた。先生の深いため息がわたしの前髪を揺らした。

この連載は、365日不眠不休でグジグジうだうだしているわたしが、心から信頼する藤原基央さんと(勝手に)がっぷり組み合って BUMP OF CHICKEN に「追いつく」試みです。歌詞を中心に見ていくけれど、解説や解釈といったものはありません。わたしという人間が BUMP OF CHICKEN の曲を通して藤原基央という人間に挑み、自分のややこしい人生に向きあって泣いたり笑ったり、悔しがったりするコラムです。

藤原基央さんのお誕生日に寄せて書いた連載予告はこちら
1曲目:「ディアマン」ともう聴かなくなったバンド
2曲目:「宇宙飛行士への手紙」と流れ星のわたしたち
3曲目:「リボン」と無敵の友情

CAUTION!!

これはイラストレーターの逆襲です。

WEB記事において、“アイキャッチイラスト”とは、記事ありきのイラストです。

「ライター陣ばっかり好きなもの好きなように書くのずるいよ!」

そんなイラストレーターの一声から始まりましたこの逆襲。

イラストレーターが描きたいものを自由に描いて、それに沿ってライターが執筆する。これは、記事ありきのイラストというこれまでの制作の流れを止め、イラストありきの記事にするという、超我儘企画です。

詳しくは
私、フラスコ編集部に逆襲します。

第二回はライター・和島咲藍に逆襲!

18:07

 『そろそろお祝いのご飯どうですか? 8月1日と2日の週末、どっちがいい?』

 遅い梅雨明けが見えてきた7月中旬のある日、母からのメッセージを受信した携帯電話がぶるっと震えた。
 「どうですか?」と尋ねておきながらこちらが「行く」と答える前に日程の確認をしてくる強引さが、いかにも彼女らしかった。

(C)東海テレビ放送

地元と呼べるものを持っていない。兵庫で生まれ、熊本に暮らし、また兵庫に戻ったかと思えば、次は埼玉へ。おまけと言わんばかりに兵庫に帰り、最終的には埼玉に落ち着いた。できそこないの反復横跳びのような家移しであった。

社会の授業で「外様大名」という概念を習った時のことをよく覚えている。「外様」とことさら強く書きつけたノートを見て、「どこに行っても外様であることよ」と思っていた。幸いにも転校先で除け者にされるようなことはなかったが、皆と共通の思い出を持っていない疎外感を覚えることは多々あった。

とはいえ、なんだかんだで中学生からは埼玉にずっと住んでいた。市内の高校に進み、二十歳になってからは国道沿いの寂れたラブホテルでバイトを行い、大学にも実家から通った。ただ、何か小さな解れが起こって、埼玉ではなく兵庫県で暮らしていたらどうなっていたのだろうと感じることがある。

(C)2016「ディストラクション・ベイビーズ」製作委員会

意識を失って目覚めた時、冬の始発に充ちる空気のように頭が透き通っている感覚が忘れられない。山岳ベース事件を起こした連合赤軍の森恒夫が「自己批判」「総括」として他人に暴力を振るい、共産主義を盲目的に信奉する革命戦士として生まれ変わらせようとした契機は、自身が気絶した後に「生まれ変わったような心地がした」からであるらしい。

正直、分からなくもない。顎に足先が掠めただけなのに、いとも簡単に意識が攫われる。幼い頃から空手を習っていた自分にとって、暴力は隔日の夜に訪れる信仰対象のようなものだった。

2020.07.07 / / わた藤

突然だけど、わたしには友達が少ない。生まれつきそういう体質なのだ。

「一人でも平気そうな顔をしている」とか「自分の世界持ってそうだから話しかけにくい」とよく言われるし、わたしが各種SNSで発信しているような事はいわゆる「考えすぎ」で、「考えない」人たちから見ればそれらは気持ち悪く、「考える」人たちのことは萎縮させてしまうようだった。

でもそれを気に病むことはない。わたしには「赤い星」が付いているから。

この連載は、365日不眠不休でグジグジうだうだしているわたしが、心から信頼する藤原基央さんと(勝手に)がっぷり組み合って BUMP OF CHICKEN に「追いつく」試みです。歌詞を中心に見ていくけれど、解説や解釈といったものはありません。わたしという人間が BUMP OF CHICKEN の曲を通して藤原基央という人間に挑み、自分のややこしい人生に向きあって泣いたり笑ったり、悔しがったりするコラムです。

藤原基央さんのお誕生日に寄せて書いた連載予告はこちら
1曲目:「ディアマン」ともう聴かなくなったバンド
2曲目:「宇宙飛行士への手紙」と流れ星のわたしたち

(C)ジョージ朝倉/講談社 (C)2016「溺れるナイフ」製作委員会

就職活動中、「ラブホテルの立ち上げを経験しました」と話すと、たいていの面接官は面白がって話を聞いてくれた。

実際にはリニューアルオープンするラブホテルのオープニングスタッフとして雇われたにすぎない。大量の避妊具をもぎって箱に詰めたり、電気マッサージ器の本数を数えたりした程度だ。が、有象無象の就活生から脱して「ラブホテルの子」として認識されるだけで選考の突破率は格段に上がる。

結局、ヘルプも含め、3つのラブホテルで働いたのだった。最後は「ホットドッグセットではなくホットライスセットを頼んだ」と意味不明なクレームをつけてきた熟年カップルに「お客様、世の中のライスはほとんどホットでございます」と癇癪を起こしてしまい、バカらしくなって辞めた。それ以来接客業らしい接客業はしていない。

2020.06.05 / / わた藤

自転車のうしろに彼女を乗せて、陽が落ちきった街を走る。耳には片方ずつ分け合ったイヤホンが刺さっていて、ふたりで同じ音楽を聴いている。彼女を学校から駅まで送るたった5分たらずの道のりで、わたしたちは毎日、流れ星になっていた。今が未来だった頃の話だ。

この連載は、365日不眠不休でグジグジうだうだしているわたしが、心から信頼する藤原基央さんと(勝手に)がっぷり組み合って BUMP OF CHICKEN に「追いつく」試みです。歌詞を中心に見ていくけれど、解説や解釈といったものはありません。わたしという人間が BUMP OF CHICKEN の曲を通して藤原基央という人間に挑み、自分のややこしい人生に向きあって泣いたり笑ったり、悔しがったりするコラムです。

藤原基央さんのお誕生日に寄せて書いた連載予告はこちら

1曲目:「ディアマン」ともう聴かなくなったバンド

Twitter あります