Te wo Arai mashou.

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忘れた頃にいきなり現れて、おもむろに心臓を握ってくる。とてもじゃないけど、息もできない。そして、いきなりいなくなる。本当なら、会った瞬間にぶん殴って、叫びながら逃げた先の河原なんかで涙のひとつでも流してやりたい。なんで戻ってくるんだよ。とっくにさよならしたはずなのに。すれ違うだけで、苦しくてしょうがないんだよ。

でもさ、やっぱり会えるとなんだかんだ嬉しいんだ。色々とひどいことを言ってしまってすまない。謝るよ。本音を言うと、どこにいたの、探してたよ、って感じなんだ。実のところ、君に会って心が震えているうちは、僕はまだまだ大丈夫なんじゃないかなって思ってる。素直だろ。だから、忘れないように君のこと、君に会ったときのことを書いておくよ。できるだけ、いつまでも覚えておきたいから。

僕はといえば、すっかり「僕と書いて愛」とは読まなくなってしまったよ。ああ、そう。彼は、相変わらず。君なら、そんなの前前前世から予想していたかもしれないけど。でも、僕も、愛にできることはまだあるんじゃないかとは考えているよ。きっとそれはいくら汚れてしまっても変わらないはず。と、思いたいけど、まあ、これからどうなるかわからないよね。ただ、愛は今でも二日酔いだけは防いでくれないし、治してもくれないよ。これも相変わらず。愛がなんだ。うるせぇバーカ。

文・西川タイジ

1986年山形県生まれ。『トーキョーブンミャク』運営。肩書きは特にありません。好きに呼んで下さい。編んで書いて読んで飲んで観て聴いて泣いています。

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