ステージを背にして歌い、踊る。見られることを選択するのがアイドルの第一歩かもしれない。それでは、観客である私たちはどれほど「見る」ことができているのでしょうか。どれほど「読む」ことができているのでしょうか。
アイドルに溺れてしまいもう引き返せないオタク数名が、「界隈」を科学するアイドル批評誌「かいわい」を発行。待望の vol.2 を11月23日の文学フリマ東京で手に入れることができます。
川合裕之(フラスコ飯店 店主)
かいわい vol.2 について
アイドル「界隈」をゆるめて解きほぐし、開かれた「かいわい」をみんなで作る、をコンセプトに昨年創刊されたアイドル批評誌『かいわい』。
vol.2の特集は、「アイドルオタクヒストリーアーカイヴ」です。
コロナ禍によってアイドル現場から「声」が失われた今こそ、改めて現場の「声」に耳を傾けてみようという思いで、まずは11名のオタクたちから話を聞きました。その中には、アイドルやアイドル運営になった人物も含まれています。
また今号では、渡邉千尋さんに韓国のアイドルグループaespaについての論考をご寄稿いただきました。精神医学者である木村敏の「あいだ」という概念を援用することで、 aespa の MV を分析し、最終的にはアイドルとの向き合い方を考察するという意欲的な論考です。編集部のタナカハルカによるMIX(というお決まりのコール)の起源を探る論考や、Twitterでおなじみ「奇書が読みたいアライさん」による架空のアイドル計画、よんとんトマチンによる漫画も収録されています。
ここで「かいわい」から届いた見本を読んでみましょう。
まだトンボが付いたキャプチャの画像をいただきました。こいつはレアですよ。要するに現在鋭意編集中。文学フリマのイベント当日にはじめて垣間見ることができるようです。
まあでもほら、「アイドル」って現場やからさ。
どこで手に入る……?
11/23(祝火)開催の文学フリマ東京「ツ-28」のブースにて。予価1000円です。
必携、必読です!
アイドルは嫌いじゃない。でもあえて趣味にするほどでもない。好きではあるけど、パクチーと同じくらいかな? フラスコ編集部の川合とアイドルとの付き合い方はそんな程度です。けれども僕はこの批評誌を強く推している。社会性を伴ったエンタメ批評として抜きんでているというのもありますが、この ZINE の本質はそんなに堅苦しいものではありません。
それはさながら旅行記を読むのに似ています。聞いたこともない地名の、見たこともない料理の話が書き連ねられているかもしれない。とくに僕なんかはそんなに詳しくないから。しかし、書き手の視点を通して主客を交えたホカホカの日本語に触れれば、それがいかに貴重な営みかがわかるのです。その子のことを知らなくても、形而上で恋に落ちるやもしれません。vol. 1 からのファンですが、「かいわい」は本当に本当に注目です。