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ローファイヒップホップとは?
【フラスコ用語辞典】(2020年版)

レイドバック気味にくつろいだメロウなメロディとシンプルなドラムパターンが特徴のインストゥルメンタル音楽。音楽的特徴だけに注目すればチル、スムースジャズ、トリップホップとも形容することができるが、YouTube, spotify などを中心に発達したという背景を持ち、たとえば2018年にはこのローファイヒップホップというジャンルがSpotifyで急成長したジャンル2位に選出された。また、ローファイヒップという語は音楽ジャンルでありながら「コミュニティ」「ネットミーム」としての側面も持つ。

ー目次ー

1. ローファイヒップホップの黎明 -ヒップホップとは異なる軌跡-
2. インターネット上での爆発的な拡大
3. コミュニティとしてのローファイヒップホップ
4. ローファイヒップホップと日本のアニメ
5. ローファイヒップホップとローファイサウンド
6. ジブリを中心とするアニメの著作権とローファイヒップホップ
7. まとめ

「作業用BGM」としての側面を過分に含み、そのためローファイヒップホップと称される楽曲の多くは歌詞をともなわない。インストゥルメンタルトラックのみ(*)で楽曲が成立する。生放送のストリーミングで知名度を大きく上げた。ストリーミングチャンネルのチャット機能を通じたその場限りの交流という文脈がこのジャンルのキーとなる。「コミュニティ」の総称としても「ローファイヒップホップ」という語がある、という所以はここにある。

*2020年頃、このローファイヒップホップブームの影響を受けた次世代のアーティストが、原義のローファイヒップホップにラップを乗せた音源を発表する流れが到来する。Shatter Handsなどが好例だ。

BGMとして消費されることが多いため、代表的なミュージシャンを挙げづらいのも特徴の一つ。源流としてローファイヒップホップに影響を与えたアーティストとしてNujabesJ Dilla の両名の名が語られることが多い。また「ローファイ」と冠されているが、必ずしもローファイな音質を求められるわけではない。ノイズ交じりでローファイに演出されたトラックこそ多いが、ハイファイな作りをしているものでもリスナーがいつどのように音源を流しているかによっては十分に「ローファイヒップホップ」に該当すると言える。

なぜだかアートワークには日本のアニメ(あるいはそれを彷彿とさせるもの)が使用されるのが定番だが、これにも理由がある。ローファイヒップホップと日本のアニメには繋がりがある。

なお、ローファイヒップホップを語る上で頻出のアニメは「サムライチャンプルー」と「ジブリ作品」だ。

それぞれ順を追って詳しく解説していこう。

※かなり長くなるので、せっかくだからローファイヒップホップを聴きながら読んで欲しい。

lofi hip hop radio – beats to relax/study to

ローファイヒップホップの黎明
-ヒップホップとは異なる軌跡-

オランダのレーベルChillhopが2013年に公開したミックスに “lo-fi beats” という語が含まれており、これがローファイの産声だというのが通説である。

ただし、これ以前においても、古くは90年代ごろからジャズやソウルをサンプリングした音楽は存在していたのもまた事実だ。チルホップやスムースジャズという名称が与えられてきた。ローファイヒップホップという名を持たないだけで、同種の音楽は既に存在していたのだ。たびたび名が挙げられるNujabesやJ Dilla は「ローファイヒップホップという語より以前のローファイヒップホップ」である。

サンプラー(Roland SP404)による制作

ローファイヒップホップの制作にはRoland SP404というサンプラーが活躍した。ドイツを拠点とするトラックメイカー Wun Two やカナダのプロデューサーBSD.U といった2010年代後半にも活躍するローファイヒップホップ周辺のミュージシャンはこのRoland SP404を愛用してビートを作っているが、この機材はローファイヒップホップが流行し始めた2018年以降に作られたものではない。さらに言えばローファイヒップホップという語が生まれたとされる2013年以降のものでもない。Roland SP404の最初のリリースは2005年。LAを中心に、2000年代にはすでにこの種の低ビットレートでループするトラックメイクはおこなわれていたのだ。

ABO ──レコード盤の回転ムラのように音程が安定しない感じも、VINYL SIMというエフェクトを使えば簡単に出せる。ISOLATORを使って、高域と中域をカットして2ミックスの中からベース部分だけを抜き出したり、それを何回もリサンプリングして音を太くさせたりとか、そういうハードウェアの制限された機能の中から生み出されるアイデアっていうのも面白いよね。こういったテクニックはローファイ・ヒップホップのビートメイキングにも生かされているはず。

1,2 ── nujabesやJ・ディラからの影響と思われる独特なビートの揺れがあってこれを打ち込みで再現するのは意外と難しい。しかし、SP-404のクオンタイズ機能を使えば、跳ねたリズムは簡単に作れる。さらにSP-404SXに搭載されたシャッフル・クオンタイズ機能を使えば、裏拍の跳ね具合まで調節できるのね。これを使うとまさにローファイ・ヒップホップの揺れ方になる。


ABO ── SP-404/SP-404SXは、これまで打ち込みの玄人じゃないと難しかったヒップホップのノリを民主化していったと言っても良いよね。これによって世界中のいろんなビートメイカーがローファイ・ヒップホップに参入しやすくなったと思う。

【#SUPERCOMBO の機材夜話】 第1回 Roland SPシリーズの魅力

以上のように、Roland SP404 はローファイヒップホップサウンドの象徴的な機材ともいえるだろう。

インターネット上での爆発的な拡大

ローファイヒップホップという言葉、ならびにその音楽は2010年代後半からネット上で広まり急速に知名度を高める。2018年には「今年のグラミー賞はローファイヒップホップです」という旨のジョークがツイッター上で拡散され話題となった。2020年時点で14.2万のいいねが集まり、5.3万件リツイートされたのだ。2018年1月の時点で既にジョークが成立するほどの知名度を得ていたという証左である。

And the Grammy goes to……. Lo-Fi Hip Hop Anime Chil Beats To Study and Relax To

これは明らかにChilledCow のチャンネルのことを指している。この項ではYouTubeとSpotifyにおける同ジャンルを代表するクリエイターや出来事ををいくつか紹介する。

YouTube

Chillhop, Collge Music, Chilledcowなどのチャンネルおよびその生配信はYouTube上で絶大な人気を誇る。

このムーブメントのオリジネーターのひとつであるJonny LaxtonのYouTubeチャンネル “College Music” は2020年5月現在で110万人の登録者数を有している。同チャンネルは複数の生配信でローファイヒップホップのトラックを流し続けていることが特徴。

2020年2月には同じくローファイヒップホップの界隈では世界的な老舗のYouTubeチャンネルである『ChilledCow』が配信停止となった。ローファイヒップホップは「主に若者が」「勉強などの作業をしながら」聴く音楽だというイメージを定着させた一端を担うチャネルだ。ChilledCowが配信停止されたことそれ自体がその界隈をどよめかせるニュースになったことにも注目したい。

Spotify

2018年にはspotify で「海外で最も再生された日本人アーティスト」のランキングでローファイヒップホップの代表格であるNujabesが3位となった。ちなみに1位はONE OK ROCKで2位がRADWIMPSだ。既にこの世を去った彼のトラックが2018年になってここまで多くの人に聴かれているという事実には目を丸くするほかない。2018年前後においてローファイヒップホップがいかに存在感を持っていたかを示す良い例だろう。Nujabesという夭折しているミュージシャンがなぜローファイヒップホップを代表するのか? については次の項で詳しく説明する。

そのほかにもspotify上でローファイヒップホップのプレイリストが数多く「共有」されている。

ブログ「Lo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)はどうやって拡大したか」(日本)

beipana氏が自身の持つはてなブログで執筆したエントリ「Lo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)はどうやって拡大したか」は大きな反響を呼び、ローファイヒップホップの存在を体系的に知らしめる契機となった。

beipana

DIYアーティスト。ハワイアン・スチールギターと電子楽器を用いて、lo-fi indie的チルアウト、アンビエントな楽曲を制作する。CD『Lost in Pacific』は、英国ウェブメディア『FACT』のコントリビューターが選ぶベスト盤に選出。キュレーター、インポーターのような形で日本国内にローファイヒップホップを浸透させた第一人者のひとり。

また、同氏はTBSラジオ「アフター6ジャンクション」にも出演し、ブログをさらに肉厚にしたような内容でローファイヒップホップという領域を日本のリスナーに紹介した。

コミュニティとしてのローファイヒップホップ

同ジャンルには「コミュニティ」としての側面が含まれる。これがあってのローファイヒップホップだ、というのは2020年の今となっては少々過言だが、ローファイヒップホップの成長・発展を語る上では欠かせない

YouTubeなどのストリーミング放送のコメント欄がチャットルームとして機能し、ひいてはある種のサロンのような役割を果たしたのだ。他愛のない話からティーンズの悩みまで、幅広い話題を受け入れる懐の深さがある。ローファイヒップホップの音像そのものが、話しやすいリラクシングな環境を演出したのだろう。

ローファイヒップホップと日本のアニメ

ローファイヒップホップの源流には日本のアニメがある。ローファイヒップホップのアートワークにアニメが、それも日本のものを彷彿とさせるのにはわけがあったのだ。

Adult Swim から受けた日本アニメの影響

ローファイヒップホップを作り始めた海外トラックメーカーは若い世代だったが、彼らの多くが “Adult Swim” などを通して日本のアニメを観て育ち、この鑑賞体験が彼らのトラックメイキングの土壌にあるのではないかと “ R y a n C e l s i u s ° S o u n d s” のチャンネルオーナー であるRyan Celsis氏は考察する。“Adult Swim” とはアメリカの深夜のカートゥーンネットワーク。「カウボーイビバップ」「攻殻機動隊」などの90年代アニメが放映されていたのだが、これらの作品が2020年代前後のインディートラックメイカーに影響を与えたというのだ。なるほど、たしかに90年代志向のローファイヒップホップと親和性がある。

ローファイヒップホップとAdult Swim の繋がりは多くの批評家が指摘するだけでなく、実体験の伴う証言も数多く残されている。例外こそあれど概ね間違いないと考えてよいだろう。

サムライチャンプルーとNujabesとローファイヒップホップ

特に渡辺信一郎監督によるアニメシリーズ「サムライチャンプルー」の影響は大きい。時代劇でありながらヒップホップの要素を多分に取り込み、監督たっての強い希望で主要な音楽はトラックメーカーのNujabes が手掛けた。「ローファイヒップホップ」の裏にほのかに日本文化の存在――とりわけNujabesという特定のミュージシャン――がちらつくのはこのためだ。同作は2005年のアニメだが、Nujabesの軸足は90年代にある。ここでもやはり90年代だ。

【Nujabes】

日本の音楽プロデューサー、トラックメイカー。2010年2月に交通事故で逝去。享年36歳。2020年の10周忌には彼のゆかりの地である渋谷にて、スクランブル交差点の6面がジャックされてNujabesに映像作品が放映された。

ローファイの文脈ではプロデューサーのJ Dilla と同列に語られることも多い。偶然にもふたりの誕生日は同じ2月7日だ。

ここでは、NYクイーンズ出身で現在はLAを拠点に活躍するビートメイカーのninjoiのインタビュー回答をひとつの証言として挙げておこう。

2008年頃、自分はまだ12歳くらいで、週末の夜はいつも〈Adult Swim〉で『サムライチャンプルー』を観てから寝ていました。その後、インターネットを通じて、Nujabesが『サムライチャンプルー』の多くの楽曲を手がけていることを知って。自分は父親の影響で90年代ヒップホップを聴いて育ちましたが、Nujabesの音楽を聴いたとき、それまで慣れ親しんできたヒップホップと共通したものを感じる一方で、どこか感情を揺さぶられるところがあった。

それは明らかに今まで聴いてきたヒップホップとは違うものでした。当時、自分の住んでいた辺りは荒れている状況で、すごくハードな世界。でも、Nujabesの音楽を聴くことで気持ちを落ち着かせて、自分の心に向き合えるようになったんです。音楽によってそういう感情を持ったのは人生で初めての経験でした(ninjoi.)

サムライチャンプルーとローファイ・ヒップホップとNujabesと 【Think of Nujabes Vol.2】

なお、当時のアメリカにおいての “Adult Swim” は深夜にしかやっていないプログラムであるため、友達の家で背伸びしてお酒を飲みながら見るようなチャンネルだったという。「アニメ」というものを取り巻く文脈が日本とは少し異なり、比較的クールなものとされていたようだ。

アートワーク(従来であればいわゆる「ジャケット写真」のことを指すが、ローファイヒップホップの場合はサムネイル画像)と音源、その両方に統一性を持ち、さらにそれが日本と密接に関わっており、なおかつネット上で拡散されたという意味では2012年頃から発達したヴェイパーウェイヴの遠縁とも言えるだろう。

日本との密接なかかわり

このような経緯で、ローファイヒップホップと日本は切っても切り離せない関係にある。2019年9月、老舗チルホップが日本でのみ限定のコンピレーションアルバムをリリースしたことも記憶に新しい。

『Chillhop Radio ~Beats to Relax to』

チルホップ・ミュージックというローファイヒップホップシーンにおいて非常に信頼できるレーベルからのコンピレーションという象徴的な1枚だ。全幅の信頼をおける安心感のみならず、ネットに根を張って大きく育ったローファイヒップホップが、フィジカルとなって販売されるという逆接的な現象の諧謔味もあいまって話題となった。

ローファイヒップホップとローファイサウンド

バンドシーンにおける「ローファイ」と、「ローファイヒップホップ」はまったくの別物だ。前者は字義通り低音質にこだわり、あえて低音質で楽曲を提供することに志向した音楽だが、後者は必ずしも低音質である必要はない。発生した時期にも隔たりがあるのだ。

バンドシーンにおけるローファイ:
80年代のハイファイ志向(初期のMTVの「あの」感じ)に反発して生まれたカウンターカルチャー

ローファイヒップホップ:
2020年前後にネット上で拡大。元をたどればJ Dilla やNujabesなどのサウンドの影響が大きいが、彼らの軸足は90年代にある。

ジブリを中心とするアニメの著作権と
ローファイヒップホップ

上に述べたように、ローファイヒップホップと日本のアニメーションは密接に絡み合っており、日本のアニメーションはローファイヒップホップの構成要素だとしても過言ではない。

かつてはジブリを中心としたアニメ映画の映像をサンプリングしてループすることが多かった。またトラックのサンプリング元にジブリに関連する楽曲が引かれてくる場合も多い。

著作権違反が理由のYouTube配信停止騒動

しかし同時に、ネット上で提供されるこの文化は、著作権違反というグレーゾーンで成立しているシーンでもある。YouTubeなどのプラットフォームの采配やご機嫌次第でいとも簡単に焼け野原になってしまう危険性と隣り合わせだ。

ここではふたつの配信停止事例を挙げておこう。

Chilled Cow 配信停止(2020年)

2017年に配信を開始した “lofi hip hop radio – beats to relax/study to” は、約2年間にわたって合計およそ13,000時間以上配信され続けていたが、2020年の2月に配信が停止された。

Chilled Cow運営およびリスナーから抗議の声が上がり運営がBANを取り下げることで事なきを得た。配信が停止されたことそれ自体が世界中でちょっとしたニュースとして扱われた、という事実もここで再確認しておきたい。

Chilhop の配信停止(2018年)

Chillhop は『時をかける少女』や『サマーウォーズ』でお馴染みの細田守監督作品『おおかみ子供の雨と雪』のアニメ映像を無断使用していたことを原因に2018年に配信停止に。4月から7月までのおよそ3か月のBANとなった。その後はオリジナルの素材を使用して配信している。

ローファイヒップホップは「日本のアニメ素材とともに」「インターネットを通じて」視聴されることが原点であったが、このように、両者が共存することは法に厳密である限りは非常に困難。

さらにいえばトラックのサンプリングも従来であればしっかりとしたライセンスの手続きが必要だ。文化と商業の間のグラデーションの中で存在する音楽なのだ。こうした面では従来のヒップホップの血筋であるとも言える。ローファイヒップホップのアートワークがどこかジブリ「っぽい」のは、このような経緯があったからだ。

EUの著作権法改正がローファイヒップホップを殺す?

2018年にEUが著作権法を改正これに伴い、EU国内では著作権を侵害するコンテンツをアップロードしづらくなった。

著作権侵害コンテンツがアップロードされた場合、ユーザーのかわりにYouTubeなどのプラットフォームが尻ぬぐいしなくてはならなくなった。削除対応はもちろんのこと、著作権料の支払いもプラットフォームを運営する企業に課される。こうした法整備のもとにおいて、プラットフォーマーは著作権を少しでも侵害するコンテンツをグレーゾーンとして放置しておくことは損害に繋がるため、一律に公開を拒否しなくてはならない。

二次創作はOK. 生かされたローファイヒップホップ

この改正内容を受けて、引用やオマージュ、パロディといったミーム活動が制限されて文化の発展の妨げになるのではないかという懸念が続出した。

ローファイヒップホップを含む音楽制作の文脈においても致命的な制限だ。ライセンスをクリアしていないサンプリングが認可されないのであれば、ライセンス料を支払うことのできない若い世代、権利関係に無頓着なインディーのクリエイターは活動の場を失ってしまう。グレーゾーンを排除してしまうことは新たな音楽シーンの土壌に塩を撒くようなものだ。

日本国内におけるローファイヒップホップの宣教師のような立場であるbeipana氏もこれを懸念している。2019年に発表したブログおよびTBSラジオ「アフター6ジャンクション」出演時にも紙幅・時間を割いてこの問題を指摘した。

と、上のような批判があったものの、「ミームのような二次創作においてはこの限りではない」という但し書きが追加されて事なきを得た。なお研究や教育目的の利用も引き続き可能である。

2020年現在、フランスなどで同法のもとGoogle社が訴えを受けているが、これはニュースサイトの記事がスニペットなどで二次利用されていることをめぐる議論。少なくとも当面は音楽シーンを圧迫することはないように思われる。

まとめ

①ローファイヒップホップとは、2018年前後からネット上で火が付いた音楽ジャンルのこと。

②YouTubeのストリーミング放送でのチャット、音楽ジャンルのみならずコミュニティとしても機能している。

②音楽的な特徴としては レイドバック気味なテンポとメロディと単調なフレーズなどが挙げられる。ボーカルはほとんどなく、ヒップホップとはいうもののラップの載らないインストゥルメンタル音楽である。

③その聴きやすさを理由に、作業用のBGMとしてのリスニングするものとして定着している。大手の配信プレイリストのタイトルやアイキャッチ画像からも、作業中や勉強中に聴いて欲しいという意図がうかがえる。

④ローファイヒップホップの根底には日本のアニメ文化の影響がある。多くのストリーミング放送のアイキャッチが「ジブリっぽい」のはそのため。実際に『耳をすませば』のループ素材が使うものもあった。同放送は著作権違反によるペナルティを経て、オリジナルの素材を使用している。しかし依然とした「ジブリっぽさ」は健在。


⑤著作権的な問題から時折YouTubeなどのプラットフォームから発表の場を制限されるもののそのたびに問題を乗り越え、今なお若者を中心に根強い人気を維持している

⑥なお、日本でも大きな知名度を持つ。成り立ちの歴史、シーンの概要などが体系的にアーカイブされだしたのは2019年あたま頃から。以降もwebや書籍などで関連する記事が多く公開されている。

箇条書きとは思えぬ長さで、かつ6項目にもわたってしまったが、これが概略の全体像だ。様々な角度から養分を得て総合格闘技のように発達した文化だ。

参考文献

beipana「Lo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)はどうやって拡大したか」https://www.beipana.com/entry/what-is-lofi-hip-hop

imdkm 「ローファイ・ヒップホップ(Lo-fi hip hop)の深い沼にタワレコ限定コンピ『Chillhop Radio』でハマるhttps://mikiki.tokyo.jp/articles/-/23603

JULIA DAVIES, ‘Lo–fi Hip–Hop Beats To Study/Relax To,’ From Meme to Popular Music Subgenre
https://www.34st.com/article/2019/02/lo-fi-hip-hop-beats-study-relax-meme-subgenre

Takeshi Kikuchi 「YouTube が “Lo-fi Hip Hop” の人気チャンネルのアカウントを停止して世界中のリスナーから抗議が殺到?」
https://hypebeast.com/jp/2020/2/lofi-hip-hop-radio-beats-to-relax-study-to-taken-down-youtube

【#SUPERCOMBO の機材夜話】 第1回 Roland SPシリーズの魅力
https://www.digimart.net/magazine/article/2019051403616.html

大前 至「サムライチャンプルーとローファイ・ヒップホップとNujabesと 【Think of Nujabes Vol.2】」 https://www.arban-mag.com/article/55072

Luke Winkie, “How ‘Lofi Hip Hop Radio to Relax/Study to’ Became a YouTube Phenomenon”
https://www.vice.com/en_us/article/594b3z/how-lofi-hip-hop-radio-to-relaxstudy-to-became-a-youtube-phenomenon

Genius “How Nujabes Influenced Lo-Fi Hip-Hop | Genius News”
https://www.youtube.com/watch?v=wEo9mGWk6RA&feature=youtu.be

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