I’m back. Omatase. 

タグ: 岡田将生

(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会 言葉とは何だろう。言葉が通じるとは、話をするとは、どういうことだろう。言葉を使うことは否応なく、言葉を使わなければ出会うことのなかった深い深い孤独と対面することでもある。同時に、言葉がなければ見ることのできない祝福の光を浴びることでもある。そのような孤独の暗闇と、トンネルの先にある朝の海のような眩しい光とのあわいを、一台の赤い車が走ってゆく。 『ドライブ・マイ・カー』という映画について語る時、まず僕はこういった抽象的なイメージを語らなければならない。すぐさま細部を語るには、あまりにこの…

(C)2020「星の子」製作委員会

「わけわかんなくなることってあるんだね」

姉・まーちゃんが幼いちひろに呟いたこの言葉は、私たちが生きていくなかで遭遇する “ままならなさ” を素直に表現したものとして私の耳に残った。

人生は、世界は、自分は、わけわかんない。

映画『星の子』は、自分の置かれた境遇を、周りにいるたくさんの他者を、そしてそのなかにいる自分自身を、どのように受け入れていけばよいのかという問いについて、煮えきらないまま考え続けるひとりの中学生の姿を描いた作品だと筆者は考えている。新興宗教という個別的なモチーフが用いられているが、それを通して抽出されているのは普遍的なテーマだ。

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