I’m back. Omatase. 

川合 裕之

川合 裕之

95年生のライター/ 編集者。長髪を伸ばさしてもらってます。 フラスコ飯店では店主(編集長)をしています。

川合 裕之の書いた記事

(C)2019 映画「タロウのバカ」製作委員会

> タロウのバカ』をprime video で観る <

〈この記事のメニュー紹介〉

『セトウツミ』や「まほろシリーズ」、『ぼっちゃん』などを監督してきた大森立嗣(おおもり・たつし)による2019年の映画『タロウのバカ』をレビューします。「社会の外側を見ること」に伴う息苦しさ・閉塞感は、映画館という空間だからこそ成り立っていたのではないか、という論考です。

それではどうぞお召し上がりください。

慮外放心。呆然。テアトル梅田の地下劇場から地上へ登るときの筆者のその心持ちは、このように表現するほかありません。

戸籍もなく、就学経験もなく、そぞろに毎日を過ごす少年・タロウ。エージ、スギオという高校生の仲間とともに、3人で奔放で破滅的な時間に身を投じて消耗する日々。あることをきっかけに一丁の拳銃を手にしたことから、タロウたちは邪悪でからりとした刺激を加速させることとなる――。これが『タロウのバカ』の簡単なあらすじです。しかしこれはさっぱりと爽やかな青春群像劇でも、うなるほどの痛快なケイパーアクション劇でもない。真夏の炎天下に、手負いの蟻がもがく様をじいっと眺めつづけるような忍耐を要する、静的な苦しみの伴う映画なのです。

(C)2018 A24 DISTRIBUTION, LLC

それは単なる杞憂でした。SNS時代の青春映画、と配給に題されたこの映画にいささかながら不信感を覚えていた自分を強く戒めながら僕は映画館をあとにする。

「いま」はいずれ「むかし」に成り代わることは必至。SNSを題材にすればたしかに身近なものを克明に描くことができるかもしれないが、その反作用として足の速い映画になってしまう。そう思われてしまうのも無理はないでしょう。いいえ、でも大丈夫。『エイス・グレード』は思春期の僕たちを苛んできた自意識、という強靭な普遍性に支えられているのです。

(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

お、配信されてるじゃん。ちょっと見てみよう。えっと……そうだな……いつか時間のあるときに。そんな風に言い訳して一応マイリストに入れたけれどそれっきりという人は僕だけではないはず。

Netflixで『レヴェナント:蘇りし者』が配信されています。2時間36分の大作。それも暗くどんよりとした言ってしまえば辛気臭い映画です。気軽にサクッと楽しめるドラマだって沢山そろったNetflixでは、ついつい後回しにしてしまうかも。

2019.08.01 / / コラム

かぽーん。いいよね、銭湯。サウナも。

泊まりの仕事のとき、僕は大抵はカプセルホテルを使います。完全夜型の僕なんて、どうせ宿をとっても寝れないんだし、それならいっそお風呂にお金を使おう。中途半端なビジネスホテルの宿なんかよりよっぽど豪華なお風呂にはいれる。しかも安い。そういう理屈です。

しかしながら、僕みたいな自意識過剰な小心者にはカプセルホテルの利用ですら、ある種の死闘なのです。

(C)Universal Pictures All rights reserved.

ユニバース、ユニバース、ユニバ―ス。

あれも?これも?それもそうなの?

知らないよ。全部見てられないよ。そんな声が聞こえてくる。わかる。そりゃそうだ。普通の人はそう言うのが筋でしょう。こんなのに付き合ってるの僕らみたいな一部のおかしなファンだけですよ。

2019.07.01 / / コラム

Twitter あります