Te wo Arai mashou.

投稿者:

(C)2018 Disney. All Rights Reserved.

>フラスコ飯店からのお知らせ<

流行ってるらしいが、どんなもんかいや。寝る前に自分の部屋で「clubhouse」というアプリをダウンロードしてみる。軽くパニックになった。

******

こんな田舎町、はやく出て行ってやるんだーーみたいな描写がフィクションの中にあるとドキッとしてしまう。悪いけど言ってしまえば、僕はある程度、都会の人間なわけでして。

日本の中心たる京都市の真ん中で育った。関西の街なら梅田も難波も三宮も、別になんとなく歩くくらいはわけない。たとえ「3時間遅刻するから待っていて欲しい」と言われたとて、別に特段困りはしませんよ。嫌やけどね。

申し訳ないけど、都会への憧れだとか、あるいは畏敬の念なんてものはない。自分でも書いていて甚だ鼻につくけれど、ないものはないのだから仕方ない。だって生まれ育ってるんだからさ。僕だって別に選んだわけじゃないです。とはいえ、どんな人間にだって「はじめて」は存在する。I will give you all my love.

幼いころに正月の祇園で手を引かれて「ほほう、これが」と思ったものです。はじめて難波の「あのグリコ」を見たときの気持ちとか、四条での時間の過ごし方がわからなかった小学生の時の焦燥とか。あるいは、地下街で迷子になったときの絶望とか。

そういう感覚、すっかり忘れていたけれど、ちょっと思い出した気がします。

回想を経て再び自室へ戻る。掌の中から覗く「clubhouse」は、僕にとって未知なる「都会」だったのです。

ジャックパーセルなんか、二度と履いてやるかと心に誓った。

エンドロールが終わり、立ち上がることができない。正直に打ち明けるならば、最初のモノローグの時点で、こうなることは分かっていたけれども。

たしかにこれは「良い映画」なのだろうと直感でそう思いました。が、しかしこの映画が僕に与える感情はいったい何だったのか、僕にはわかりませんでした。絶対故障だ。処理できない。けれど喪失感に似た得も言われぬ疲労が下腹にどんよりと残る。論より証拠。そうなってしまったのだから仕方ない。

(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員

非常識なくらい辛すぎる麻婆豆腐を食べたときのような、あるいは度を越えるほど甘ったるいチャイを飲んだときのようなーー。たしかに強烈な味がそこにあることはわかるけれど、具体的に詳細に述べることは困難で、とにかく今は水を求め喉をリセットしたい。たべるのがおそいせいかお腹がもういっぱいだ。

わからない。丁半が付かないが、勝敗ははっきりしている。あっぱれ。ちっとも理由がわからないけれど、たしかに僕は「くらって」しまいました。そんな『花束みたいに恋をした』という映画は、結局のところは一体何だったのか。

自身の体験から敢えて遠巻きに距離を取ってこの作品が何だったのかを考えたいと思います。

2021.01.01 / / コラム
2020.10.31 / / コラム

クィア・アイというリアリティーショーをご存じですか。決して誰も傷つけることのない無条件の愛に満ちた幸せなリアリティーショーです。人生に疲れてしまった人のもとに「ファブ・ファイブ」が足を運びます。その人たちはカルチャー、食、ファッション、ヘアメイクやインテリアなどのスペシャリスト。衣食住をあらゆる角度から見直し、疲れたその人の暮らしを人生を輝かせて再起させてくれるのです。

海外ドラマファンやネトフリフリークのみなさんにとっては「何をいまさら」と思われるかもしれませんね。知っている人は知っている超オバケコンテンツ。2018年に配信がスタートした Netflix オリジナルドラマであり、これまで6つものシーズンが配信されています。いいなあ。僕の所にも来てくれないかなあ。

僕も大好きなシリーズです。

けれど、どうにもこうにも心配性の僕は、手放しに喜べない。

もしかしたらこの企画、実は惨酷なのかもしれません。

【こっちもオススメ】
映画音楽にはその時代の景色が詰まっている(BttF評)

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は誰もが愛する名作ですが、実はこのエンタメ、用心しないと見逃してしまいそうな些細な些細な政治的メッセージが隠されています。それを大っぴらにすることなく、表面上では老若男女が理屈抜きで楽しめる。楽しめてしまう。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』という映画の一番残酷なところです。良薬口に苦し。裏を返せば、甘いものは身体に悪いかもしれないということです。

ロバート・ゼメキスは稀代のエンタメ映画作家ですが、その一方で彼の映画を丁寧に読むと、実は意外に極めて政治的な人なのでは?としか思えないような映画の作りをしているのです。エンタメはエンタメ。そこに水を差すつもりはありませんが、敢えてこう書きましょう。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』という映画は極めて「保守的」な映画であると。白人至上主義的で家父長制的な「強さ」の映画であると。

(C)2020「劇場」製作委員会

この記事には映画『劇場』の重要なネタバレが書かれています。

アタマからいきなりラストシーンに触れています。ご注意ください。

まだ映画を見ていない方はすぐにこのページを閉じてください。

本当に素晴らしい映画ですから、前情報なしに鑑賞していただければ幸いです。

Twitter あります