ジャックパーセルなんか、二度と履いてやるかと心に誓った。
エンドロールが終わり、立ち上がることができない。正直に打ち明けるならば、最初のモノローグの時点で、こうなることは分かっていたけれども。
たしかにこれは「良い映画」なのだろうと直感でそう思いました。が、しかしこの映画が僕に与える感情はいったい何だったのか、僕にはわかりませんでした。絶対故障だ。処理できない。けれど喪失感に似た得も言われぬ疲労が下腹にどんよりと残る。論より証拠。そうなってしまったのだから仕方ない。
(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員
非常識なくらい辛すぎる麻婆豆腐を食べたときのような、あるいは度を越えるほど甘ったるいチャイを飲んだときのようなーー。たしかに強烈な味がそこにあることはわかるけれど、具体的に詳細に述べることは困難で、とにかく今は水を求め喉をリセットしたい。たべるのがおそいせいかお腹がもういっぱいだ。
わからない。丁半が付かないが、勝敗ははっきりしている。あっぱれ。ちっとも理由がわからないけれど、たしかに僕は「くらって」しまいました。そんな『花束みたいに恋をした』という映画は、結局のところは一体何だったのか。
自身の体験から敢えて遠巻きに距離を取ってこの作品が何だったのかを考えたいと思います。