はじめに、『ミッドサマー』はホラー映画だ。
しかし、アクション的に、幽霊が出てきてワッと驚かせたりなど分かりやすいホラーシーンはない。
ただただ、見ていて奇妙な雰囲気や気味の悪さを感じる。老人が村の風習によって崖から飛び降りたり、奇怪な死のシーンなど異様にアップされるゴア描写が頭の中にこびりつく。
はじめに、『ミッドサマー』はホラー映画だ。
しかし、アクション的に、幽霊が出てきてワッと驚かせたりなど分かりやすいホラーシーンはない。
ただただ、見ていて奇妙な雰囲気や気味の悪さを感じる。老人が村の風習によって崖から飛び降りたり、奇怪な死のシーンなど異様にアップされるゴア描写が頭の中にこびりつく。
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「人は20歳から大人になるのだ」と教わって以来、19歳と20歳のはざまの00:00ちょうどに パチン と大人になるのだと思っていた。そうやって大人になったら、大人であるための決まりやふるまい方が自動的に脳にアップデートされるのだと。
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それは単なる杞憂でした。SNS時代の青春映画、と配給に題されたこの映画にいささかながら不信感を覚えていた自分を強く戒めながら僕は映画館をあとにする。
「いま」はいずれ「むかし」に成り代わることは必至。SNSを題材にすればたしかに身近なものを克明に描くことができるかもしれないが、その反作用として足の速い映画になってしまう。そう思われてしまうのも無理はないでしょう。いいえ、でも大丈夫。『エイス・グレード』は思春期の僕たちを苛んできた自意識、という強靭な普遍性に支えられているのです。
これもマスト?あれもマスト? 世の中にはコンテンツの品数が多すぎる。 どんなカルチャーを食べてよいかわからないと悩まないよう、フラスコ飯店が食べ合わせの良い「定食」を自信をもってご提案いたしましょう。ひとつのテーマに沿って映画・書籍・音楽……などなど媒体を横断した鑑賞セットを考案します。
今回のテーマは「記憶」。記憶は記憶でも、九九の暗記などの単純な記憶力の話ではなく、「誰かの存在を覚えていること、思い出すこと」に焦点を当てます。さらに今回は、「記憶」をモチーフにした作品の中でも、日常のとりとめのない場面に記憶の焦点を当てていたり、時間を超えた記憶を描いている3作品をセレクトしました。
「あなた」のことを覚えている。だからこそ「わたし」はここにいる。
あなたとわたしの「記憶」定食、召し上がれ。
お品書き
・小説『図書室』
・漫画『不滅のあなたへ』
・映画『A GHOST STORY』